魏臺訪議の探求

・【物故之義】

典籍	文	備考
『通典』	尚書曹(注ⅵ)訪云官寮終卒依禮各有制至於其間令長以下通言物故不知物故之名本所依出＿＿＿＿＿＿＿＿＿高堂崇＿曰聞之先師物無也故事也言＿＿無復＿能於事者也(注ⅶ)	「巻八十三禮四十三凶五初喪　魏」
『後漢書』	魏臺訪＿問物故之義高堂隆合曰聞之先師物無也故事也言死者無復所能於事＿也	「牟長伝」李賢注(注ⅰ)(注ⅳ)
『蜀志』	魏臺訪＿＿物故之義高堂隆荅曰聞之先師物無也故事也言＿＿無復所能於事＿也	「劉璋伝」裴松之注(注ⅱ)
『史記』	魏臺訪議＿＿＿＿＿高堂崇對曰聞之先師物無也故事也言＿＿無復所能於事者也(注ⅶ)	「凶奴伝」索隠注(注ⅲ)
『史記集解』	高堂隆答魏朝訪＿＿＿＿＿＿曰＿＿＿＿物無也故事也言＿＿無復所能於事	「張丞相列伝匡衡」
『魏臺訪議』	魏臺訪議問物故之義高堂隆荅曰聞之先師物無也故事也言死者無復所能於事者也	推定される原文面

注)
　ⅰ)李賢・・・唐・高宗と則天武后の第６子。６８４年、３１歳で不慮の死を遂げる。范曄『後漢書』に注を入れた。
　ⅱ)裴松之・・・東晋末～劉宋初の政治家・歴史家。３７２－４５１。陳寿の『三国志』に注を入れた。現存する同書は裴注のもの。
　ⅲ)「索隠」・・・唐・司馬貞のつくった『史記』の注釈書。
　ⅳ)「合」は「荅」の誤。「荅」は「答」と同意。
　ⅵ)「尚書曹」・・・「尚書」は秦にはじまる官名。少府に属し、詔書の発行をつかさどり、後漢には行政の最高の官となった。「尚書省」は近代以前の中国の官署の名称。漢の武帝の時、もと朝廷内で文書を保管していた尚書署(のち尚書台と改称)は詔勅を起草し、臣下の上奏を処理する権力を獲得して、地位が高くなった。後漢では尚書台あるいは中台とと称された。南北朝時代にはじめて尚書省を称し、その下は各曹〔属官の詰めている所、局と同じ〕に分かれ、中央の政務を執行する総機関となった。（漢和辞典及び『中国歴史文化事典』より)
　ⅶ)「高堂隆」を「高堂崇」とするのは、唐・玄宗皇帝の諱・隆基を忌諱したもの。「隆」と「崇」は音は違うが、どちらも「高い」という意味をもっている。yahoo!掲示板「邪馬台国論争が好きな人集まれ!！」#46592。現在リンク切れ。

・各典籍に引かれた『魏臺訪議』『魏臺雑訪議』

典籍	文	備考
北堂書鈔	魏臺訪議云何以用未祖対曰土盛于未故歳始未祖[禾尤/山]含祖賦云有漢日用丙午魏氏擇用孟月之酉也　○　今案陳本刪魏臺五句賦下有序餘同考魏臺訪議詳下文[虫昔]臈篇	「巻百五十五歳時部三祖十三」
北堂書鈔	魏臺訪議曰何以用未祖丑臈高堂隆曰王者各以其行之盛祖以其終臈水始生於申盛於子終於辰故水行之君以子祖辰臈火始生於寅盛於午終於戌故火行之君以午祖戌臈木始生於亥盛於卯終於未故本行之君以卯祖未臈金始生於己盛於酉終於丑故金行之君以酉祖丑臈土始生於未盛於戌終於辰故土行之君以戌祖辰臈今魏拠土徳宜以戌祖辰臈也　○　王石華校改土盛於戌終於戌非也今案　欽定図書集成歳功典巻九十四引魏臺訪議作盛戌終辰與舊鈔合又初学記巻四引與原鈔悉同陳本土行之君誤作金行是刊刻之譌	「巻百五十五歳時部三[虫昔]臈([虫昔]、臈ともに１２月のこと)
顔氏家訓	魏臺訪議王者各以其行盛日為祖衰日為臘漢火德火衰於戌故以戌日為臘	「風操第六」
文選	魏臺訪議曰以玉為笄也古曰笄今曰簪繁	「巻三十雑詩下擣衣五言謝惠連」
藝文類聚	魏臺訪議高堂隆曰帝王各以行之盛而祖以其終而臈火生於寅盛於午終於戌故火家以午祖以戌臈秦靜曰古禮出行有祖祭終有[虫昔]臈無正月必祖之祀漢氏以午祖以戌臈午南方故以祖冬者?之終物畢成故以戌臈而小數之學者因為之?非典文也	「前言校序」注引『續漢書』「礼儀志」劉昭注引
藝文類聚	魏臺訪議曰帝問何用未社丑臈王粛對曰魏土也土畏木丑之明日便寅寅木也故以丑臈土成於未故於歳始未社也	「巻五歳時下社」
淵鑑類函	魏臺訪議曰帝問何用未社丑臘王肅對曰魏土也土畏木丑之明日便寅寅木也故以丑臘土成于未故于始未社也	「巻十八歳時部七」
初学記	魏臺訪議曰詔問何以用未祖丑臈臣崇對曰按月令孟冬十月臈先祖五祀謂荐田[獣偏＋昔]所得禽獣謂之臈	「巻四歳時部臈第十三」
太平御覧	魏臺訪議曰詔問何以用未祖丑臈臣隆對曰按月令孟冬十月臈先祖五祀謂薦田臈所得禽獣謂之臈	「巻三十三時序部十八臈」。「魏臺」の前に「高堂隆」
隋書	魏臺訪議曰天子以五采玉珠十二飾之	「礼儀志七」
宋書	魏臺雜訪曰前後但見讀春夏秋冬四時令至於服黄之時獨闕不讀今不解其故	「礼儀志二」

・正史経籍志藝文志収載『魏臺訪議』『魏臺雑訪議』

隋書「經籍志」刑法	魏臺雜訪議三卷高堂隆撰
舊唐書「經籍上志　乙部史　儀注類」	魏臺雜訪議三卷高堂隆撰(注ⅴ)
新唐書「藝文志二　乙部史　故事類」	魏臺訪議三卷
新唐書「藝文志二　乙部史　儀注類」	高堂隆魏臺雜訪議三卷

注)
　ⅴ)百衲本(紹興刊本)『舊唐書』では「魏臺雑訪儀」。

・正史に見えるその他の「魏臺」

『晋書』「石勒伝」・・・【季龍還襄國大赦諷弘命己建魏臺一如魏輔漢故事】