材木の輸送費など

千田稔『埋もれた港』(学生社/昭和49年5月)

[正倉院文書、天平宝字六・九・十、宇治使解、同年月十七、高島山使解、天平宝字六・九・九、榲榑漕運功銭米注文]

〈表4 材木運漕功賃銭〉=179頁=
材木 出入木津 漕功賃銭 材別功賃
榲榑 三〇〇材 小川津より宇治津 三貫文 三〇〇材々別
三〇〇材々別
三文
二文
三〇〇材 宇治津より泉木津 一貫八〇〇文 材別 三文
二〇根 勢多津より泉木津 三貫七八〇文 二根々別
十八根々別
二七〇文
一八〇文
六〇〇材 三貫一〇〇文 三〇〇材々別
三〇〇材々別
六文
五文
雑材 四四〇物 宇治津より泉木津 四貫六二〇文 物別 一〇、五文


 
〈表5 『延喜式』にみる雑材の公定価格と運賃〉=179頁=
五六寸歩板一丈四尺柱 箕子一丈二尺柱 運賃
宇治津 36文 21文 7文 (前滝津まで)
榑1材1文半
大津 30文 17文 7文 (宇治津まで)
榑1材1文半
歩板(あゆみいた)・・・長さ2丈、厚さ5,6寸の削材を一材とする。
榑(くれ)・・・山出しの板材。長さ1丈2尺、幅6寸、厚さ4寸。
簀子(すのこ)・・・角材長さ2丈1寸、方4寸角を一材とする。
※『広辞苑』によると「榑」とは
 @山出しの板材。平安時代の企画では長さ十二尺、幅六寸、厚さ四寸。くれき。宇津保祭使「浅き世になげきてわたる筏師はいくらの−か流れきぬらん」。
 A薄板。へぎいた。
 B薪。
 C「せいた(背板)」1に同じ。なお「背板1」は「丸太から板などを取って残った端の板」(『広辞苑』)。


〈表6 材木運漕功賃銭(木津〜東大寺)〉=180頁=
種類 数量 運車数 賃銭 車別賃銭
檜久礼 一二八〇枚 六四両 二貫三八文 三二文
波多板 一〇枚 一両 三二文
波多板等 一四五枚 二九両 九七八文 二一車各三四文
八車各三三文
続松 五枚 五両 一六五文 二三文
岡田焼炭 八六斛 五四両 一貫七六七文 三九車各三三文
一五車各三二文